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社説/24年度法人減税(中)中小賃上げは減税と価格転嫁で

(2023/11/23 05:00)

政府・与党は、2023年度末に期限を迎える賃上げ促進税制を延長・拡充する。23年春闘を超える高い賃上げ率を24年も継続し、デフレ脱却につなげたい。焦点は、日本の従業員数の7割を占める中小企業の行方だ。減税措置だけでなく、中小の賃上げ分を取引価格に上乗せする価格転嫁が欠かせない。政府は月内に労務費の価格転嫁に関する指針をまとめる。厳格な運用で取引を適正化したい。

賃上げ促進税制は、企業の給与総額が一定水準を超えると税額控除を受けられる。ただ23年春闘では大企業が3・99%、中小も3・23%の賃上げ率でほぼ適用要件をクリアした。24年春闘で前年を上回る賃上げを実現するには、現行の税制ではインセンティブ(誘因)とならない懸念がある。連合は24年春闘で5%以上の賃上げを目指す。政府は5%以上の賃上げ企業への高い税額控除を検討しており、効果的な制度に改めたい。

政府は「中堅企業」枠を新たに設け、大企業より賃上げ促進税制の適用要件を緩和することも検討している。中堅企業は給与総額や従業員数の伸び率で大企業を上回っており、ここに焦点を当てて賃上げを後押しするのは適切な判断と評価したい。

約6割が赤字の中小企業には「繰越控除制度」を適用する方針だ。賃上げを実施した赤字企業が黒字化した段階で、赤字で適用されなかった税額控除分を繰り越せるようにする。ただ、あえて赤字にしている企業もあり、効果があるかは未知数だ。

中小企業は人材確保に向け、やむを得ず「防衛的賃上げ」を行っている。だが実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済なども抱え、防衛的賃上げにもおのずと限界がある。政府が総合経済対策で講じる省人化投資への補助金の活用や、賃上げ原資を確保するための労務費の価格転嫁が欠かせない。

政府は、賃上げ分の転嫁状況を業界ごとに実態調査し、業界団体に自主行動計画の改定・徹底を求める方針だ。月内に策定する労務費の価格転嫁に関する指針と合わせ、円滑な価格転嫁で賃上げの裾野を広げたい。

(2023/11/23 05:00)

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